「やまがたの木」認証材を活用した家具で地域材の普及啓発 「やまがたの木」認証材を活用した家具で地域材の普及啓発

「やまがたの木」
認証材を活用した家具で
地域材の普及啓発

HIDEAKI
HORIGOME

堀米 英明

山形県木材産業協同組合 専務理事

01 「やまがたの木」の
生産から利用までを一体化

「やまがたの木」の生産から利用までを一体化

01 「やまがたの木」の
生産から利用までを一体化

山形県は県土の約7割が森林です。森林が有する、生物多様性の保全や地球温暖化の防止などの機能を継続して発揮させるには、森林から産み出される木材の循環利用が不可欠です。地域で育った木材を積極的に利用することは、森林の環境保全、ひいては循環型社会づくりにもつながります。県内の住宅産業関係者が広く連携して、地域材を積極的に利用することにより、豊かな森林を再生し、環境の保全に努めていくことは極めて重要な使命です。

山形県木材産業協同組合は、木材産業の振興と組合の組織体制の強化を目的に、県内の木材生産者・製材業者・木材販売業者130社で構成された組合で、主に県産原木の伐採・販売や、住宅用部材の材生産・販売を行っています。一方、やまがた県産木材利用センターは、山形県産材の利用拡大を目的に、木材および製材品を幅広く県内外に販売していくための普及活動や、会員の製材関係者、建築士や設計工務店を対象にした木材利用セミナー開催などの啓発活動を行っています。

近年、県民の間で住宅に対する健康や安全・安心志向の増大、公共事業への県産材の利用促進など、県産材へのニーズが高まっているなかで、山形県の木材および製材品を「やまがたの木」として認証。認証材を利用した家づくりを推進するとともに、認証材を使った公共建築物や木製品のPRも行っています。木材の生産から利用まで、川上から川下までを一体化することで、県産材の利用拡大に努めています。

県産材を利用した住宅の普及に取り組む上で、課題となるのは製品の高度化と流通体制の整備です。構造材(土台・柱・梁など)以外に使用する断面の小さな部材・羽柄材については県内の製材工場から出荷できる体制になっていますが、柱や梁といった主要な構造部材には品質・性能の保証された他県産材(JAS認証材・集成材)や輸入材を用いるのが主流です。全国的に国産材の価値を再考し、民間施設などへの活用を促進する取り組みが進められていますが、県産材のさらなる活用を促すには、構造材に求められる寸法と強度性能に対応した製品の高度化と、それらを安定的に供給できる生産・流通体制の整備が必要だと考えています。

02 県産材のPR
SDGsのシンボルとして活用

県産材のPRやSDGsのシンボルとして活用

02 県産材のPR
SDGsのシンボルとして活用

初めてCARBON STOCK FURNITUREを見たときは、シンプルながらもデザイン性に優れた家具だという印象を持ちました。特に着目したのは、木造住宅などの建材として利用されている105mm角の国産木材が使われていること。一般流通材を「住宅」ではなく、「製品」に活用しているところが新しく、県産材の価値のPRSDGsへの取り組みのシンボルとして活用できないかと考えました。

購入したCARBON STOCK FURNITUREのローテーブルは「山形県木造住宅フェア2023」「山形県林業まつり2023」で展示し、一般の方にお披露目しました。県産材を使った製品に触れる機会が多くないなかで、JAS材を使ったデザイン性の高いCARBON STOCK FURNITUREは多くの人の関心を引き、県産材や活用の可能性をアピールすることができました。

「山形県林業まつり2023」では、県産材を活用した木製のパーテーションの中に展示して、「木のある暮らし」を提案しました。現状としては、CARBON STOCK FURNITUREを展示して、県産材の活用や利用する意義についてPRしている状況ですが、今後は、例えば公共施設のロビーや、民間施設の展示場などで通年展示することで、CARBON STOCK FURNITUREに触れられる機会を設け、県産材に関心を持ってくれる人を増やしていきたいと考えています。

03 需要創出と技術者育成で
「やまがたの木」を未来へ

需要創出と技術者育成で「やまがたの木」を未来へ

03 需要創出と技術者育成で
「やまがたの木」を未来へ

予算の都合上、CARBON STOCK FURNITUREを購入できる台数には限りがありますが、ゆくゆくは常設展示に加えて、やまがた県産木材利用センターが開催する各種セミナーなどでも活用していきたいと考えています。特に対談形式のセミナーでは、展示会用に作成した木製のバックパネルとCARBON STOCK FURNITUREを合わせて設営することで、一般流通材に囲まれた空間づくりも可能です。そういった場面をより多く作って、県産材の活用を促進していければと考えています。

今後は、購入したCARBON STOCK FURNITUREを各種イベントや常設展示で活用していきたいです。そして、地域の一般流通材を使った製品として、地域の特色とともにCO2固定機能なども併せて情報発信することで、県産材の良さはもちろん、県産材の活用への理解促進を図って参りたいと考えています。

少子高齢化に伴い、これまで国産材需要の大半を占めていた低層住宅分野の需要が減退していくことが見込まれています。新たな国産材需要を創出するためには、中高層分野および非住宅分野など、さまざまな建築物での木材利用が必要です。
それと同時に、技術者等の育成も重要な視点です。県内には県産材を扱う大工がたくさんいますが、担い手の高齢化と後継者の不足により、人手不足が深刻化しています。熟練した技術の継承が途絶えれば「やまがたの木」が流通から消えてしまう可能性も否定できません。県内の木材生産者や製材業者、木材販売業者、大工・工務店、建築士等の関係者のネットワークを強固にするとともに、セミナーやイベントを通じてさらなる県産材の利用促進に貢献し、「木の国やまがた」の魅力を発信していきたいと考えています。

その他のメッセージをよむ

豊かな生活を保つ森の役割

豊かな生活を保つ森の役割

これまでの導入事例写真

これまでの導入事例写真

CONTACT

導入をご検討の方は、
お気軽にお問い合わせください。