過去と現在を繋ぐ道 みちのく潮風トレイルを支える人の輪

KUMI
AIZAWA

建築家 相澤 久美

NPO法人みちのくトレイルクラブ 事務局長・常務理事

みちのく4県28市町村の
人々が支える
ロングトレイル

みちのく4県28市町村の
人々が支える
ロングトレイル

東日本大震災からしばらくした頃、歩きながら地域の自然や文化を楽しむ“ロングトレイル”の国内第一人者・加藤則芳さんが環境省に対して、「三陸沿岸にロングトレイルを作ったら?」と提唱されました。

震災が起きてからまだ多くの時間が経っていなかったので、環境省の方も悩まれたようでした。被災した方々にとって、今この事業を行うのは適切なのか、何度も現地に赴き、岩手県の副知事を始め地元の方々に話を伺ったそうです。
話を聞いて明らかになったのは、岩手県沿岸には昭和40年頃から計画された、自然歩道がたくさんあったこと。様々な用途を兼ね備えた「歩くための道」がすでにそこにはあったのです。

このような背景もあり、短期的に人々を呼び込む観光地としてはアクセスの良い環境とは言えない東北沿岸に、長期滞在型の旅、ロングトレイルを作ることにしました。こうしてグリーン復興のビジョンの一部として「みちのく潮風トレイル」事業がスタートします。

ロングトレイルは「CO2を出さないレジャー」として、SDGsの実現を目指す観点からも全国で取り組みが始められており、世界中で注目を集めています。

環境省のご担当者は、加藤則芳さんのアドバイスも受け、「ロングトレイルは、地元の方と一緒に作るもの。地域の方々の理解がなくては始まらない。」とおっしゃっていました。なぜなら、ロングトレイルの大きな魅力のひとつは「地域の人々との触れ合い」だから。ロングトレイルは、小さな路地や商店街の道路も含むので「地域の生活の核心に入って触れていく旅」にもなります。それを地域住民の方々に理解してもらい、歓迎してもらう土壌を作ることこそが、ロングトレイル作りで一番大切なことです。地域の人々の協力がなければロングトレイルは成り立たないのです。

こうして、環境省は何百回も地域の方々との話し合いを重ね、「みちのく潮風トレイル」は作られました。どのルートを通るか、どのように整備するか、どこで休憩をとってもらうか。地域を見直し「道」を整えることがひいては地域貢献に繋がります。
こうして単に「観光用の道」ではなく、地域住民の想いをのせ、官民協働で作られた「みちのく潮風トレイル」が完成しました。そして「みちのく潮風トレイル」の情報を発信、管理していく拠点として「みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター」が作られました。名取トレイルセンターは、美しい自然を守り、後世に伝え、地域との関わりを持つ場所として、「みちのく潮風トレイル」を体現するために存在しています。

JT(日本たばこ産業株式会社)さんに喫煙スペース設置の相談をさせて頂いたときには、名取トレイルセンターのビジョンと、景観を守るものを作りたいとお願いしました。CARBON STOCK FURNITUREの提案を頂いた時、すでにビジュアルやコンセプトを理解しおり、名取トレイルセンターとの相性の良さは感じていたのですぐにお受けしました。

作られた場所には
ない景色

作られた場所には
ない景色

私は建築家ですが、建物や家具にとって、デザインは機能を体現するものでもあり、重要だと考えています。CARBON STOCK FURNITUREのビジュアルの素晴らしさは、目を奪うものがあります。
本来ならば、一般の家具は移動などを考え軽くしようとするところを、あえて「木の塊」をそのまま設置することにこだわり、本来必要ではない質量を保つこと。それはインパクトに繋がっていると思います。

屋外に置くことを想定していたので塗装をお願いしたのですが、屋外用の塗装は、人によっては触れたくない物が含まれていることもあります。肌に優しいもので、さらに環境も守れる塗装にこだわるという難しいオーダーをしましたが、見事に叶えて頂きました。
想いに合わせて選択ができるフレキシブルな部分も、CARBON STOCK FURNITUREの魅力ですね。

また二酸化炭素の固定量を示す印字もストレートで潔いと思います。
CARBON STOCK FURNITUREがもつ「大気中の二酸化炭素を吸収して固定する」という機能を、家具本体にそのまま印字することで、カーボンストックという解りにくい概念が可視化され、それを見た人々にそのことを意識させるきっかけになるでしょう。

名取市は「ゼロカーボンシティ」宣言を行っており、CARBON STOCK FURNITUREが名取トレイルセンターに設置されたことで、宣言を少しでも後押しできることを願っています。木も、名取市の事業者さんに名取市の木を納品してもらいました。私たちが求めていること、目指す場所を体現するファニチャーとしてCARBON STOCK FURNITUREのインパクトと説得力は、人々の記憶に残るものとなって欲しいと願っています。

寒空の下、CARBON STOCK FURNITUREはセンタースタッフやボランティアさんらの手で組み立てられ、設置されました。苦労して自分たちの手で作り上げたCARBON STOCK FURNITUREには、特別な想いが宿ります。

誰かに用意されたものより、自分たちで手をかけて作り上げたモノは、愛着も増します。「みちのく潮風トレイル」も地域の人々が自分たちで作り上げたものだからこそ、愛着があり長く愛されてくのだと思います。CARBON STOCK FURNITUREも、長く親しまれる存在になってほしいですね。

木材の持つ
底力を

木材の持つ
底力を

CARBON STOCK FURNITUREのデザインの素晴らしさは見てもらえば伝わりますが、ここに込められているコンセプトや想いは、声に出さなければ伝わりません。自分のような建築家が声を上げることで、CARBON STOCK FURNITUREが持つ魅力、カーボンストックという概念や、木材の可能性を伝えていけたら良いですね。

国立公園の中で使われているベンチやテーブルなどの家具は、コンクリートで作られた擬木を採用している場所が多く見られますが、コンクリートが環境に与えるインパクトは少なくありません。日本の木材が使われなくなって、森が荒れ土砂災害が起こっていることは、大きな課題として取り上げられています。災害支援関係の仕事にも携わらせて頂いているので、この現状は見逃せない事実です。

CARBON STOCK FURNITUREは、設置する場所の地域から木材を調達するプロダクトですが、このプロダクトを通じて地元木材への注目が集まり、近くの森への関心が高まる事を期待しています。

今回は屋外への設置をお願いしましたが、CARBON STOCK FURNITUREは、自由に組み替えできる特徴があるので、室内でも設置したい場所や特徴に合わせて、変化しその存在感を発揮できると思います。建築家として、環境省さんからビジターセンターの相談を受けることもあるので、内装としてもCARBON STOCK FURNITUREを提案していきたいですね。

時代は変化しています。
安かろう、悪かろうではない、価格に見合う価値や、意味を理解してもらえるようCARBON STOCK FURNITUREのすばらしさを、今後も提案し続けていきたいです。

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