進化する世界の中でも
「在り」つづけるファニチャー

SHINJI
YOKOGAWA

横川 慎二

国立大学法人 電気通信大学 
i-パワードエネルギー・システム研究センター(i-PERC)
大学院情報理工学研究科 情報学専攻
センター長・教授 博士(工学)

エネルギー課題に立ち向かう
複合的な技術者育成に向けて

エネルギー課題に立ち向かう
複合的な技術者育成に向けて

私が勤務する電気通信大学は、調布市にある国立大学で、電気や通信分野のみならず、理工学の基礎から応用まで、広範な分野の教育と研究を行っています。

様々な研究成果がある中で、異なる分野の研究者がコラボレーションした成果を展示する施設を作るプロジェクトが立ち上がりました。私の所属する「i-パワードエネルギー・システム研究センター(Info-Powered Energy System Research Center)」を始めとした複数の研究センターが共同して内装や設備を設計し、施設に組み込むことになりました。

i-パワードエネルギー・システム研究センターは、エネルギーや環境問題解決に向けたソリューション研究を通じ、グローバル人材の育成だけでなく、産業競争力向上に貢献することを目指しています。

202010月に発表された、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を叶えるためには複合的な技術が必要となります。すなわち、様々な分野を専門とする研究者が協力し、幅広い人脈と知識を連携させることで最先端のエネルギー関連技術の開発を進めてゆく必要があります。

その連携の場所としての本施設の設計にあたって、コンセプトを「再生可能エネルギーを中心としたエネルギー課題を研究・議論する施設」と設定し、

・カーボンニュートラルに貢献する研究成果を可視化する
・カーボンニュートラル教育の場を目指す

というイメージを固め、コンセプトを立案した設計事務所との話し合いの中で、CARBON STOCK FURNITUREをご紹介いただきました。

デジタルとリアルの
融合で成す
カーボンニュートラル

デジタルとリアルの
融合で成す
カーボンニュートラル

CARBON STOCK FURNITUREは、私たちが扱う「カーボンニュートラル」を誰でも触れる形で具現化したファニチャーです。CARBON STOCK FURNITUREのお話を聞いて、新宿にある国産木材魅力発信拠点「MOCTION(モクション)」(注1)にて実物を拝見しました。

お伺いしたコンセプトと、固定した二酸化炭素量を家具本体にそのまま印字したシンプルながらも力強いデザインを見て、即決しました。

電気通信大学という場所柄、生徒も教員もサイバースタイルのデザインを好む傾向にあります。一方で、そういったデザインはすぐに時代遅れになってしまう可能性もあります。カーボンニュートラルという持続的な開発目標については、シンプルかつ長く使えるデザインが適していると考えました。

導入してみると、スタッフや学生達からは、

「久しぶりに、発想やデザインに驚いた」
「地域の木材を使用しながら、角材でシンプルに構成したスタイルが、デザインにストレートに昇華されている」
「誰にでもわかりやすく伝わることは、学部内だけでなく地域との連携を考えた時にも大切だと思う」

など、高評価でした。

また、現場で自ら組み立てをして下さった建築家の宮崎氏(注2)の「角材に切り込みを入れ、木材のストレスを逃してあげる」という言葉からも、切り出された木材に対する愛着や経年変化への配慮を感じることが出来ました。

CARBON STOCK FURNITUREの持つ木の温かみや優しさを身近に感じてもらいたい。10年後、20年後に学生たちがここへ戻って来た時にも、変わらないスタイルと、変化した美しさに触れ、懐かしんでもらえると良いなと思います。

(注1)国産木材魅力発信拠点「MOCTION(モクション)」
https://moction.jp/

(注2)建築家 宮崎晃吉氏 
https://carbonstock.jp/voice/01/

当たり前ではない
エネルギーを
知るきっかけに

当たり前ではない
エネルギーを
知るきっかけに

今回、導入に協力してくださった学内スタッフの皆さんや、研究室の学生諸君も

「こんな環境で仕事をしたい」

と思わず口にされていたのが印象的でした。

1歩足を踏み入れると、すっと香る力強い「木」の香りが新しくも懐かしい。そんな場所になりました。

教員からは、

ITツールをネイティブに使う世代だからこそ、学生という多感な時期に木質の教育施設で育ち、当たり前に触れる機会が増やしたい。教育を通して、森を循環させる人材が育って欲しい」

という声もいただきました。こうして行われる都市の木質化は目的でもゴールでもありません。これから進んで行くスマート社会における科学技術と人、そして環境とのインターフェースとして社会基盤の一部として成長して欲しいと考えています。

環境やエネルギー問題は、目の前にあるのに見えにくい非常に大きな問題です。
私たちは、生まれた時から家の壁にはコンセントがあり、そこにプラグを挿せば安定した電気を享受することができる環境で暮らしています。ともすれば、電気が止まるとそのことに不満を漏らすこともあるでしょう。しかし世界にはまだまだ電気を手に入れることすらままならない国も沢山あります。

「便利な世界」を守るために、環境に負荷を掛けていると気付くには、いくらかの想像力が必要です。

今私たちが目指す、「再生可能エネルギーを主力電源化し、カーボンニュートラルを都市で実現してゆく」には、エネルギーを消費する 1人1人が「便利な世界」を再設定しなければなりません。

そうした意識の変化を促すために、我々教育機関が環境を整えていき、CARBON STOCK FURNITUREがその変化のきっかけになればいいと考えています。

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豊かな生活を保つ森の役割

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これまでの導入事例写真

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