目に見えないCO2を可視化すること。それは、都市に住む私たちの意識と森林環境を変革する。

MITSUYOSHI
MIYAZAKI

建築家 宮崎 晃吉

株式会社HAGI STUDIO 代表取締役
一般社団法人 日本まちやど協会 代表理事
東京芸術大学 非常勤講師

2008年東京藝術大学大学院修士課程修了後、磯崎新アトリエ勤務。
2011年より独立し建築設計やプロデュースを行うかたわら、 2013年より自社事業として東京・谷中を中心に遊休不動産をリノベーションした飲食、宿泊事業を運営している。CARBON STOCK FURNITUREのコンセプト立案とデザインを担当。

都市とその近郊の森の林業、
あるべき関係性

都市とその近郊の森の林業、
あるべき関係性

木材に本格的に興味をもったのは、実はこのCARBON STOCK FURNITUREの第一号が納められたMOCTIONのお仕事がきっかけでした。リサーチの段階で東京の森の製材所や、原木市場を訪れいろいろなお話を伺う中で、都市とその近郊の森の林業の本来のあるべき関係性が見えてきました。まず東京都という都市において多くの生産林が存在しているということに驚きました。原木市場の競りに立ち会ったのですが、ところ狭しと転がる丸太の数に圧倒されたのを覚えています。

一方で輸入材に頼ってきた戦後の木材利用が阻む国産材の流通の課題も見えてきました。特に都市に近い林産地では、人件費をはじめ基本的なコストが必然的に高くなり、単純な価格競争に飲み込まれてしまうと競争力に乏しい状況になってしまいます。地産の材を選ぶ必然性の必要を強く感じました。

創発の場としての
オフィス空間の木質化

創発の場としての
オフィス空間の木質化

都市での木材利用は非常に重要で、新築の建築物などに木材が利用される機会が多くなってきていることは大変歓迎すべきことだと思いますが、一方で既存ストックの活用、という側面も見逃してはならないと思っています。今すでにある建築物を廃棄して新たに作ることは、トータルで考えると地球への負荷は大きくなってしまいます。このような文脈において、木材を活用して居住環境を高め、CO2固定量も増やしていくことが木質化の本義かと思います。できるだけ多くの木材を、余計な加工をしない形で利用したいところですが、課題としては建築基準法や消防法上の内装制限などの不燃性の問題により不燃加工などを施していない無垢材の利用に制限がかかることです。

一方でコロナ禍を経てオフィスに求められる機能が大きく変わろうとしています。これまでもその傾向はありましたが、執務のための空間から人と人のコミュニケーションや創発の場への変化が加速しています。作業効率を求める機能主義的・合理主義的なオフィス空間は、無駄を省いた無機質な空間になりがちでしたが、より偶発的なアイデアや共同作業を生む場としては、居心地や多彩な場を生んでいく発想が必要です。そんな時代の要請にも木質化の動きは連動していくのではないでしょうか。

森林環境への貢献度を
可視化して、共感から実感へ

森林環境への貢献度を
可視化して、共感から実感へ

オフィスや公共空間における内装や家具の木質化がなかなか進まない理由の一つに、貢献の度合いが不透明であるということが挙げられると思います。木材のインテリアへの効果や雰囲気の良さ、森林環境への貢献には共感できるものの、定量的に可視化されていないがためにそれが「どの程度なのか」ということの実感に結びつかないのです。

CARBON STOCK FURNITUREは単一断面の木材を利用しており、木材の使用総量が見るからに明らかであることと、CO2固定量が家具自体にグラフィカルに表示されます。その上で、オフィス全体のCO2固定量の合計も証書として可視化されます。

また、既存のトレーサビリティの制度を生かして木材の出自をはっきりと証明することで、都市近郊の森林環境への実効的な取り組みとして、都市住民が自分たちにも関係することであると自覚することにつながるのではないかと思います。

企業や行政の取り組みをきちんと定量的に示していくことで、取り組みのモチベーションを後押しし、スローガンに終わらない環境保全への取り組みを推進していけるのではないかと期待しています。

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