“サウナー”の職人が作った
国産ヒノキの「バレルサウナ」

KENJIRO
IZUMI

泉 謙二郎

茨城木工株式会社 代表取締役

将棋盤を作り続ける
企業のチャレンジ

将棋盤を作り続ける
企業のチャレンジ

茨城木工(注1)は元々碁石を作る会社でした。鹿島灘産のハマグリを原料にして、碁石を製造していましたが、ハマグリが取れなくなってしまい、将棋盤の製造販売に転換していきました。それから50年、将棋盤を作り続けています。

また、木材を扱う技術を活かして家具やガーデニング用品の製造販売も行ってきました。最近はタイニーハウスやサウナを開発し、販売しています。

私はもともとサウナが大好きで、若い時から50年以上サウナに通っている根っからの「サウナー」なんです。ただ、コロナ禍でサウナに入るにも人数制限があったり、サウナ自体が閉鎖してしまったり、思うようにサウナを楽しめない日々が続いていました。そこで、「入れないのならば、自分専用のサウナを作ろう」と思い立って開発を始め、完成したのが、今回ご紹介するブランド「BURROW(バロウ)」(注2)です。

この樽のような形には元があります。同じ時期に開発を進めていた「タイニーハウス」です。開発段階で出てきたデザインの1つに、樽を横に倒したような円形のデザインがあり、それをベースにBURROWの形へ進化させました。

実は、我々の会社がある茨城県神栖市は、その昔「樽づくり」の町でした。利根川を挟んで向かい側にある千葉県銚子市は、古くから醤油づくりが盛んな町です。そのため、神栖市には、大きな醸造用の樽や運搬用の樽を作る職人さんがいっぱいいたんです。戦後になり醤油が瓶やプラスチックで運ばれるようになり、仕事が減ってしまいました。そこで始まったのが、高い技術力を活かした、将棋盤づくりです。ですから樽づくりの技術や知識は既にあり、円形の樽のようなサウナを作る準備は整っていました。

サウナづくりという点においても、苦労はありませんでした。50年来の「サウナー」なので、サウナに関する知識も豊富です。迷うことなく、機能的でデザイン性の高いバレルサウナが出来上がりました。

(注1)茨城木工:茨城木工株式会社HP 
https://www.ibamoku.com

(注2)「BURROW(バロウ)」:国産バレルサウナとタイニーハウス「BURROW(バロウ)」 
https://burrow.co.jp/

ヒノキの香りで
「ととのう」サウナ小屋

ヒノキの香りで
「ととのう」サウナ小屋

バレルサウナというのは、サウナの発祥地であるフィンランドで生まれました。「バレル=樽」のような円形のサウナ小屋のことを言います。
円形のため、熱が一か所に貯まらず効率的に循環します。また、ストーブで暖めた部屋の熱が漏れないよう、断熱には特にこだわりました。

木材にはヒノキを選びました。ヒノキは暖められた時の香りがとても良く、昔から浴槽に使われていますよね。その香りには日々の疲れを癒してくれる鎮静作用があると言われています。入っていると、森の中でリラックスしている気分になり、肩の力がふっと抜けます。

また、サウナには、身体を活発に動かすための交感神経系と、身体を休ませてリラックスさせるための副交感神経系の両方に作用し、自律神経を整える効果があることがわかっています。熱いサウナに入って、冷たい水や外気に触れることで心身共に「ととのう」ことができます。

ありがたいことに、お客様からも褒めてもらえるんですよ。良いものが出来たなと自分でも思っていますね。

木を切る、木材を使う、
木を植える

木を切る、木材を使う、
木を植える

国産木材は、今大きな局面を迎えています。

安価な木材として広く使われている「南洋材」。その産地のフィリピン、マレーシア、インドネシアでは水害が増えてきています。これは森が適切に育てられていないからだと思うんです。

木を切る、木材を使う、木を植える。

そうやって木を植えて山を整えるからこそ、山は育っていくのです。森は循環が大切ですから、1本切ったら1本植える。これが上手く回っていないのですね。

日本は国土面積に対する森林の量がとても多いにも関わらず、外国から木材を輸入しています。目の前にある森林を見過ごしているのはおかしなことです。自国の建材は自国で賄えるよう、考えを改めなければならない時期に来ていると思います。また、国産木材を使うことで、日本の森林と里山を守ることが出来ます。

そういった意味でも国産木材の活用を促す概念を体現しているCARBON STOCK FURNITUREは面白いと思います。

CARBON STOCK FURNITUREを初めて見た時は、そのデザインに驚かされました。不思議な金具が木材を浮かせているように見えますよね。

良い木材を作るためには「乾燥」がとても大切なんです。茨城木工で手がける御将棋は、木材を購入後自社で1~2年乾燥させますが、本当に完全乾燥させるためには5~10年くらい掛かります。それだけしっかり乾燥させるには年数とともに、莫大なコストが掛かってしまいます。

そこで、35年ほど前から茨城木工の将棋盤は、本来の大きさよりひとまわり大きく制作しています。使いながら乾燥してもらい、5〜10年乾燥して良い木になったところで、正しい寸法に整えます。それほど木材の乾燥は大切です。
CARBON STOCK FURNITUREは、角材が空気に接する面が大きいので、木材の乾燥を行うのにぴったりのデザインですね。家具として使いながらも良い木材に育ち、5~10年後には素晴らしい素材となるでしょう。

こうして育った木材を使って新たな家具が生まれるのも楽しみですね。

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豊かな生活を保つ森の役割

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これまでの導入事例写真

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