国産木材の活用
「日本の林業の歴史と課題」
かつて日本では、近隣の森から木材を調達して暮らしを支えており、「森林」と「暮らし」は密接な関係にありました。
その後、日本各地に都市が形成されると共に、林業が盛んになっていきます。
江戸時代になると都市に人々が集中し、家、神社、寺など木材の需要が高まったことで産業として成長していきます。主要木材であるスギやヒノキの活用が広がる一方で、土砂災害防止など、森林の機能を回復させるための森林整備も行われるようになります。
第二次世界大戦後、高度成長期の住宅ブームにより木材の需要は最盛期を迎えます。国内の人工林ではまかなえず、安価で大量に供給が可能な外国産木材にシフトしていきました。日本は世界有数の森林大国であるにも関わらず、国内の林業は衰退の一途を辿ります。
現在、林業が持つ課題として「林業従事者の育成・確保」「 国産木材の需要低下」が挙げられます。豊富な資源である「森林」を維持し続け、有効活用するために林業を活性化することが重要です。
「木材を活用し、森林の循環を促す」
広大な森林面積を誇る日本ですが、適切な時期に伐採されずに放置されたままの荒れた森も数多くあります。日本の森林を守っていくには、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林の循環利用がカギになります。
重要なのは、適切な「間伐」と「伐採」です。先ず、間伐を行うことで日光が地表に当たり、草木の育成が促進され、栄養豊富な森として生まれ変わります。そして、伐採を行った後に植林することで、森のサイクルを回すことができます。
私たちが木を有効活用することで、木材生産の需要が伸びれば、この森のサイクルを上手に回し、森林を健全な状態に保つことに繋がります。